柏のラモス瑠偉コーチ(48)がキレた。23日の川崎F戦に1-3で完敗した覇気のない選手に激怒。9月のコーチ就任から、早野宏史監督(49)を立てて陰でチームを支えてきたが、J2降格の可能性もある厳しい状況を打破するため、今後は“ラモス色”を前面に押し出す方針を明かした。
魂の男が、ついに沈黙を破った。川崎Fに敗れたチームは2連敗で14位に低迷。視線を落としバスに乗り込む選手たちの横で、ラモス・コーチが声を荒らげた。「もう黙ってられない。昔のラモスに戻るしかない。試合に出てるのは監督でもコーチでもフロントでもなく選手。プロ意識を持ってやらないと」。今後は現役時代の口癖だった「冗談じゃないヨ」を解禁するなど感情を前面に出して指導する方針だ。
怒るのも無理はない。0-7で大敗した15日の浦和戦に続き、選手から闘争心は感じられなかった。前半20分に先制を許すと、43分には小林祐がペナルティーエリア内で反則を犯し一発退場。直後のPKをジュニーニョに決められ、主導権を握られた。明神、波戸の出場停止で、主将を務めた玉田は「1人減って厳しかった。それ以外に言うことはない」と完敗を認めるしかなかった。
J2降格圏の16位大宮との勝ち点差は、わずか2。次節は、その大宮との直接対決が待つ。清水、東京Vなど下位との試合を残しており、ここからが正念場。今後の結果次第ではシーズン途中で監督に昇格する可能性もあるラモス・コーチは「本当のプロは一つ言えば分かるが、ここの選手は十言ってもダメ。このままではJ2に落ちる」と危機感を募らせた。残り6試合。チームの緊急事態に熱血コーチが立ち上がる。
≪箕輪先制ヘッド≫川崎Fの日本代表DF箕輪が攻守に存在感を示した。前半20分、セットプレーから頭で押し込み先制弾。後半39分、PKを献上した際はウクライナ戦の悪夢がよぎったが、堂々と勝利に貢献した。「1試合ごとに上手になりたいと思ってプレーしてます」と話した。チームは初の6連勝で5位浮上。01年に京都が記録したJ1昇格年の最多タイとなる7連勝にも王手。関係者によれば、鹿島の後任監督候補に挙がる関塚監督に対し、11月にも来季の続投を要請する方針という。