【ヒューストン高橋秀明】米大リーグのワールドシリーズは25日(日本時間26日)、ホワイトソックス(ア・リーグ中地区1位)対アストロズ(ナ・リーグ中地区2位=ワイルドカード)の第3戦が行われる。2連勝のホワイトソックスにとって、大きな関門となるのが第3戦で先発するアストロズの右腕オズワルト。28歳の成長株は、ポストシーズンでも大きな注目を浴びている。
「地元で行われる最初の試合で勝って、流れを変えたい」。オズワルトは24日の会見で、不利な形勢を逆転する意気込みを口にした。ナ・リーグ優勝決定戦では、レギュラーシーズン100勝のカージナルスを相手に2勝(防御率1.29)を挙げ、ワールドシリーズ進出の立役者となった。最大の魅力は最速158キロのスピードでピンポイントに制球される速球だ。
00年シドニー五輪で米国の金メダル獲得に貢献して認められ、翌01年にメジャー・デビュー。以来5年間で83勝39敗、特に昨年と今年は2年連続で20勝を挙げた。ガーナー監督が「10年に1人の素材」と絶賛するように、マウンドでの存在感は、もはや43歳のクレメンスをしのいでいる。
そのオズワルトが気にするのは、本拠地であるミニッツメード・パークの開閉式屋根が開くかどうか。アストロズは今季、屋根が閉まった時に36勝17敗と成績がいい。ファンの声が反響して、選手間の掛け声が聞こえにくくなり、相手の守りが乱れたことも一因とみられる。ただ、開閉の決定をする大リーグ機構の担当者は「天気がよければ、開けるべきだ」という。インドア派のオズワルトは「シカゴは寒くて風が強かった。ヒューストンに来たら、今度は自分たちに有利な状況で野球をやる権利がある」と反論。地の利を最大限に生かしての勝利を狙う。