第18回東京国際映画祭は22日、東京・六本木ヒルズと渋谷のBunkamuraをメーン会場に開幕した。開会式典では、特別招待作品22本、コンペティション作品15本とコンペティションの審査員6人が紹介された。
審査委員長を務める中国のチャン・イーモウ監督は「映画は、違う国、違う国民、違う地区の人々がいっしょに家族をつくる架け橋のようなもの。東京国際映画祭でも心の交流をしたい」とあいさつ。審査委員長として「皆さんが気に入ってくれる素晴らしい映画を選んでいきたい」と抱負を述べた。
続いて角川歴彦チェアマンが壇上に上がり「昨年を上回る規模で開催でき、うれしく思います。トータル350本のフィルムが揃い、今年の主要4部門は何より粒ぞろい。1人で全部見るのは難しいが、素晴らしい作品を皆さんの目で確かめてほしい」と強力なラインアップを強調。オープニングの『単騎、千里を走る。』とクロージングの『力道山』の両作品を「中国と日本、韓国と日本のコラボレーションの成果」と賞賛した。
さらに「世界の映画祭は国同士のコラボレーション、合作、リメイクなどの潮流がある。東京国際は、世界の映画界がダイナミックに描いている状況を占う写し絵のような存在でもありたい」と話し、映画祭の意義の高まりを強調した。
オープニング作品でこの夜がワールドプレミアの『単騎、千里を走る。』の主演、高倉健とチャン監督が紹介され、高倉は「来年、自分は俳優になって50年の節目になりますが、長い間一所懸命やっているとこんなボーナスのようないい監督と仕事ができる、とかみしめています」といつものぼくとつな語り口でイーモウ監督に敬意を表した。
チャン監督は、「28年前に外国映画を見ることができるようになった時に、初めて高倉健さんの映画をみた。中国の人はすぐに健さんのファンになり、中国の男優はみんな健さんのようにえりを立てて歩くまねをしていた。私にとってもアイドルで、崇拝していた。今は夢の中にいるような信じられない気持ちです」と最大限の賛辞を送った。
--- --- --- --- ---
映画祭はこの日から、コンペティション、アジアの風、特別招待、日本映画・ある視点の主要4部門を中心に33の部門と企画が本格的にスタート。都内各所で30日まで繰り広げられる。【鈴木隆】
東京国際映画祭公式サイト
http://www.tiff-jp.net