セルティックは30日、アウエーでダンディー・ユナイテッドと対戦し4-2で快勝。3連勝を飾り、29日に敗れたハーツを抜いて今季初めて首位に浮上した。試合は点の取り合いとなったが、セルティックは2-2の前半32分に相手オウンゴールで勝ち越し。後半43分にはMFピアソンのゴールでダメを押した。MF中村俊輔(27)は先発出場。得点に絡まなかったが、鋭いパスで攻撃のリズムをつくり、首位獲りに貢献した。
開幕から13戦目。リーグ屈指の名門がついに頂点に立った。ダンディーUを下して勝ち点32。前節まで首位ながら前日のハイバーニアン戦で星を落としていたハーツと勝ち点で並び、得失点差で上回った。順位に関しては「他(クラブ)のことは気にしていない。自然にやっている。まだ半分も過ぎていない」と素っ気なかった日本代表MFだが、存在感を示した。
「点に絡まなくてもアシストの前プレーとかあった。アシストや得点がすべてではない」
前半4分にオウンゴールで失点。苦しい立ち上がりだったが「先制されても形があるから」と中村は落ち着いていた。17分にFWハートソンの得点で振り出し。中村も26分にゴール右前から左足で軽く浮かせ、走り込むハートソンに合わせた。得点に結びつかなかったが、中村のパスが攻撃のリズムをつくった。そして28分にはFWサットンがゴールを決めた。その2分後には同点とされたが、さらに2分後には相手オウンゴールで勝ち越した。目まぐるしい展開の中で中村は中盤の右というポジションにとらわれず、中央や左にも顔を出した。後半18分には自ら得たFKをハートソンにピンポイントで合わせ、もう少しで得点という好機を演出。試合は43分にMFピアソンが挙げたダメ押し点で決まったが、流れをつくった中村の存在は見逃せない。
巡り合わせを感じさせる相手だった。ダンディーUとはスコットランドでのデビュー戦となった8月6日に対戦。マン・オブ・ザ・マッチに選ばれるほどの存在感を見せた。あれから3カ月。中村は「シーズン最初はチームが落ち着かなかったが今は戦い方が定着してきた。これから肉付けすれば僕も8割、9割の力を出せるようになる」と手応えを口にする。
ダンディーU戦の前に行われた会見では地元記者からベッカムと比較され「僕は人のことが気にならないし、自分の蹴り方があるのでそれに集中している」と話した。周囲には惑わされない。平常心で臨む中村にとっては首位獲りも通過点。優勝という目標に向かってこれからも進み続ける。