○横浜マ2-0鹿島●
後半の2ゴールで横浜マが快勝して、4連勝。後半3分に右サイドからの奥の速いクロスをマグロンが押し込み先制。後半41分には、相手クリアミスのボールを途中出場の大島が決めた。鹿島は負傷の小笠原と出場停止の大岩を欠く苦しい布陣。後半は相手の倍以上のシュートを打って攻めたが及ばず、9試合ぶりの黒星となった。
▽横浜マ・岡田監督 選手は集中力を持って戦った。満足している。(次節はセ大阪)残念ながら我々は優勝争いに関係していないが、目の前の試合に全力を尽くすことがサッカーの仲間としての礼儀だ。
◇逆転Vに向け、小笠原が復帰か
土砂降りのち晴れ。この日のカシマスタジアムを形容するなら、こんな感じだ。完敗で優勝が絶望的になったと思いきや、大阪勢の星が伸びずに残った。電光掲示板に他会場の結果が映ると、この日一番の歓声が起こり、セレーゾ監督も「終わったときはショックだった。ロッカールームに戻り、結果を聞いたら、また明るくなったよ」と笑みを見せた。
左わき腹を痛めた司令塔・小笠原を欠き、この日は守備陣を統率した大岩が出場停止。手負いの布陣の中で、前半は無失点。走って走って、厳しく当たった。かつての鹿島の原点を見るような激しいサッカーで、横浜マの攻撃をしのいだが、いかにも飛ばしすぎ。加えて、攻撃の組み立てに苦しんでいる間に、後半3分に1点を失った。
それでも、最後の抵抗を試みる。本山の試合を組み立てる能力を生かすため、後半20分からは交代枠を使ってプレッシャーの少ない右サイドバックに移す捨て身の布陣も使った。後半33分に深井のシュートがバーにはじかれるなど、懸命に食い下がったが、41分に大岩の代役を務めた羽田がクリアボールをさらわれて、2失点目。4試合勝ちなし。9試合ぶりの敗戦となれば、だれもが終戦と思っても無理はない。
逆転Vに向け、希望はある。今季絶望と見られていた小笠原が観戦後「残り二つ勝つしかない。次から復帰する準備を整える」と話したことだ。首脳陣の判断次第だが、奇跡を起こす素地はある。【小坂大】
毎日新聞 2005年11月23日 20時29分 (最終更新時間 11月23日 22時17分)