公安調査庁は25日、団体規制法に基づくオウム真理教(アーレフに改称)への観察処分の期間更新(3年間)を公安審査委員会に請求した。現在の処分は来年1月末で期限が切れるが、公安庁は「教団の閉鎖性や隠ぺい体質は著しく、引き続き監視の必要がある」と主張している。更新請求は02年に続き2回目。公安審は教団側の意見も検討したうえで、来年1月中に結論を出す。
請求の理由として公安庁は(1)松本智津夫(麻原彰晃)被告(50)=1審死刑、控訴中=が絶対的影響力を保持している(2)殺人を勧める内容を含む教えの実践を行動規範としている(3)信者にサリン事件を正当化する説法をしており、無差別大量殺人行為に及ぶ危険がある--などを挙げた。また、幹部らが起訴された薬事法違反事件などで違法な事業活動が判明したことから、収益事業の収支報告の義務付けを新たに求めた。
公安庁によると、教団は17都道府県に28の拠点施設を持ち、国内に約1650人、ロシアに約300人の信者がいる。02年秋ごろから、松本被告の教義を絶対視する「麻原回帰」を強めているという。【森本英彦】
毎日新聞 2005年11月25日 10時52分