○西武5-4広島●
西武が今季2度目のサヨナラ勝ちで3連勝。十回、2死二塁で赤田が決勝の中越え適時打を放った。4番手の星野が今季初勝利。広島は今季未勝利の先発・大竹が好投したが、終盤に救援陣が打たれるなど3点のリードを守れなかった。
▽西武・伊東監督 (3試合連続1点差勝ちに)求めている野球ができるようになった。引き続き、足を使った攻撃をしていきたい。
▽広島・ブラウン監督 我々には多くのチャンスがあったが、スクイズを見破られるなど、うまく使うことができなかった。
◇喜びを分かち合った、新キャプテン赤田
西武のチームキャプテン、赤田の頭にペットボトルの水が浴びせかけられた。チームメートから、バシバシたたかれた。それでも、笑顔。今季2度目のサヨナラ勝ちの喜びをみんなで分かち合った。3試合連続1点差勝ちを決める粘りの一打だった。十回2死二塁。広島・永川の149キロの速球をたたいた打球が中堅・森笠の頭を越えた。
不振の新キャプテンだった。開幕当初は安打を重ね、リードオフマンとしての役割を果たしていた。しかし、5月に入ると、当たりは影を潜める。5月の25試合中、先発は13試合目。広島から移籍した福地の活躍もあり、先発を外されることも多くなった。だが、忘れなかった。「出番が来た時に結果を出せるよう心と体の準備だけはしておく」ことを。
伊東監督が「足を使った、うちらしい野球ができた」と誇らしげに語ったように、赤田自身も、サヨナラ打より、いったんは勝ち越しとなった七回の走塁の方が、うれしい。
福地との重盗を決め、2死二、三塁。3番・中島に投じた広島・横山の初球がワンバウンドになるのを見て、ためらわずに本塁に突っ込んだ。変化球が多くなることを見越していた。三塁手の位置も下がり気味なのが見え、いつもより一歩分リードを多く取った。
不振の中でも、求められている役割を忘れないチームキャプテンのプレーに、西武ナインは新たな刺激を受けたことだろう。【村田隆和】
○…広島が前日に続いて先制した。二回1死から栗原が左前打で出塁。2死後、森笠の5球目に栗原が二盗に成功し、その直後の球を森笠が中前に運んだ。「チェンジアップを何とかバットに当てることができた。先取点を取って、(先発の)大竹が楽に投げられるようにしたかった」。開幕から7試合を投げ、勝ち星のない大竹への援護射撃を、そう振り返った。
毎日新聞 2006年5月31日 22時14分 (最終更新時間 5月31日 23時39分)