政府・与党の歳出入改革で最も議論が進んでいる地方公務員の削減で、自民党の歳出改革プロジェクトチーム(PT)は、地方自治体の6.2%減という計画に対し、8%程度までさらに削減幅の上積みを求める方針だ。ただ、総務省は「これ以上の削減は困難」として、人数の純減ではなく人件費による削減目標に置き換え、独立行政法人など正職員以外の人件費補助も含めた「地方全体の人件費削減」で党側に理解を求める考えだ。
地方公務員の4分の3以上は法律で数が決められている警察官や教職員が占め、削減には法改正が必要。このため、総務省は「6.2%減が最低ラインだと、一般職員を4割、5割削る計算になり不可能」と抵抗している。そこで浮上しそうなのが、地方の独立行政法人に自治体が出している運営費交付金の削減だ。
独法は交付金で人件費の一部をまかなっており、自民党政調も同PTに「直接の公務員人件費だけではなく、幅広く業務の見直しを」と指示。成立した行政改革推進法にも地方独法の人員・給与の見直しが明記されている。交付金削減は独法の人員削減につながる。最近では、県立大学や県立病院などで独法化したものもあり、影響が予想される。【葛西大博】 2006年6月4日 3時00分