高尾紳路(しんじ)本因坊(29)が挑戦者の山田規三生(きみお)九段(33)を3勝1敗とリードして迎えた第61期本因坊決定戦七番勝負(毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第5局は26日、山形県米沢市白布温泉の中屋別館不動閣で始まった。
曇り空の山間の静かな温泉地で第5局が始まった。1961年、二十二世本因坊高川秀格と、現在の二十三世本因坊坂田栄寿が対戦して、坂田が高川の10連覇を阻止、初めて本因坊を獲得した対局室が舞台となった。
対局室に高尾、山田の順に入室。定刻午前9時、立会の王九段が声をかけて山田が第1着を右上隅星に打ち、2日間にわたる対局が始まった。
山田は中国流の布石に構え、高尾は二連星で対抗。一隅ずつ形が決まり、淡々と布石が進んだが、高尾は白28と右辺に打ち込んで戦いを起こした。【山村英樹】