東京都港区の高校生死亡事故にからみ、製造元の「シンドラーエレベータ」(江東区)は4日、同社が保守管理しているエレベータ約6100台で人が閉じ込められるトラブルが04年に320件起きていたことを明らかにした。一方、大手5社の同種トラブルはほぼ同時期の04年度で計9252件起きていることが日本エレベータ協会の調査で判明。シンドラー社が倍以上の発生だが、国土交通省は「安全装置が働いたケースが多く、大手も含めて詳細を聞かないと単純比較はできない」としている。
閉じ込めを平均1カ月分で比較すると、シンドラー社の閉じ込め件数が26件、閉じ込め確率が約0.43%に対し、大手5社は771件、確率は約0.15%だった。大手5社は約9割のシェアを占め、04年度時点で約51万4000台を管理している。
大手5社で原因を見ると、制御機器などの装置故障が最も多く36%を閉めた。さらに、利用者の使用方法に問題があったのは27%、維持管理の不備が15%、地震や風水害に伴う停電などが原因だったのが6%などとなっている。【長谷川豊】
毎日新聞 2006年7月4日 11時24分