5日午前7時20分ごろ、滋賀県高島市の病院から「全身にあざのある女児が心肺停止状態になっている」と県警高島署に通報があった。2歳の娘を虐待して死なせたとして、滋賀県警高島署は、高島市新旭町安井川、航空自衛隊空士長、長阪健太容疑者(24)の二女優奈ちゃん(2)で、頭に化のうしたやけどの跡があり、間もなく敗血症で死亡した。同署は両親が虐待して死なせたとして、長阪容疑者と妻の千鶴容疑者(25)の2人を6日、傷害致死容疑で逮捕した。
調べでは、2人は6月中旬ごろから今月5日未明ごろの間に、自宅で二女優奈ちゃんの頭部に熱湯をかけ、殴ったりけったりして、やけどなどの傷を負わせ敗血症で死亡させた疑い。優奈ちゃんは5日朝、「様子がおかしい」と2人が病院に連れてきた。全身に数カ所あざがあった。2人は「食事の行動が遅く、いらいらが募った」と供述しているという。
2人は昨秋結婚し、県営住宅に住んでいた。優奈ちゃんの他に、長女(3)、長男(8カ月)との5人家族で、女児2人は千鶴容疑者の連れ子だという。
関係者によると、優奈ちゃんは03年に生まれて間もなく乳児院に預けられた。千鶴容疑者が「引き取りたい」と申し入れ、今年5月中旬から同居。その後は同県中央子ども家庭相談センター(草津市)などが家庭訪問したり電話をして見守っていた。同センターは「訪問時にも困っている様子はなかった。本当に驚いている。残念だ」と話す。
近所の人によると、両親らが外出して電気を消した家の中に夜、子どもが一人残され、すすり泣く声が聞こえてきたり、出掛ける時に親から強くしかられていたという。 長阪容疑者は市内の航空自衛隊饗庭野分屯基地に所属。上司は「ごく普通の隊員。最近も変わった様子は見受けられなかった」と話している。【近藤修史】
毎日新聞 2006年7月6日 10時52分