信州大学(長野県松本市)は20日、教育学部の03年4月の講師採用時と同年11月の助教授昇任時に業績を虚偽申告したとして、南澤信之助教授(42)=学長付=を、21日付で懲戒解雇にすると発表した。論文のねつ造のほか、学会誌の論文採択通知書の偽造などが「極めて悪質な行為」として、通知書偽造は私文書偽造・同行使にあたるとして刑事告発する方針。
同大の調査では、南澤助教授には盗用を含む教育学関係の論文ねつ造など8件の虚偽申告、4件の論文採択通知書偽造があった。盗用では第三者の論文を丸写しし、業績を信用させるため論文採択通知書を偽造。採用や昇任が有利になるように画策したという。同大によると同助教授は事実関係を認め、「申し訳ない」と話したという。
勝山努・同大理事は「よもや業績を欺くとは思わず、虚偽を見抜けなかった。大学として管理責任があり心からおわびする」と謝罪。再発防止のため学内に委員会を設置し、全学部の教員選考のあり方を調査する。【武田博仁】
毎日新聞 2006年7月20日 20時00分