「浜名湖のうなぎの養殖場には、ピラニアが入れてある。びっくりして逃げ回るから、身の締まったいいうなぎになる」。警視庁元刑事がこんなことを言う。
一応確認したが、もちろん「ガセネタ」だ。浜名湖養魚漁業協同組合によると、冬から春に捕れたマッチ棒ほどのしらすうなぎを、養魚場で育てる。えさは、イワシなどの魚粉。「運動」は、水車で水流を作っている。
ちなみに、今期のしらすうなぎは、2300キロと、昨年の3倍以上の豊漁だった。既に、30~35センチに育ったうなぎが6月から出荷されている。キロ2000円以上の高値だという。
消費者は安いに限るが、「5、6年前は、キロ700~900円の中国、台湾産に押されて大打撃でした」と同漁協の佐原達夫総務部長は言う。今年は農水産物の安全基準が厳しくなって輸入が減少。ホッと一息ついたところだ。
今年の「土用の丑(うし)の日」は暦の関係で2回。昨日(23日)と来月4日だ。組合では、出荷前の生きのよいうなぎが、仕分けのかごを何度も飛び出していた。【大坪信剛】
毎日新聞 2006年7月24日 12時46分