記者会見で謝罪する森下院長(中央)ら=前橋市昭和町の群馬大学医学部付属病院で24日午後7時過ぎ、伊澤拓也写す
群馬大学医学部付属病院(森下靖雄院長)は24日、生体肝移植ドナーの女性患者に薬剤の過量投与から両下肢まひの重い後遺症が残ったと発表した。森下院長は医療ミスと認め、「患者と家族には深くおわび申し上げる」と陳謝した。
同病院によると、患者は群馬県内に住む50代の女性で、昨年11月に生体部分肝移植ドナーの手術を受けた。術後2日目に硬膜外カテーテルを差し込んだ脊髄(せきずい)付近から多量の出血があり、両下肢の完全まひが確認された。
調査の結果、肺血栓などの合併症予防のための血液凝固阻止剤「ヘパリン」を通常の2~5倍投与したことで副作用による出血が増え、脊髄損傷を引き起こしたという。
提供を受けたのは50代の夫で、術後3カ月で感染症で死亡している。
同病院は「担当医の(投与量の)判断が甘かったと言わざるを得ない」としている。【伊澤拓也】