財務省が26日発表した06年上半期(1~6月)の貿易統計(速報)によると、貿易黒字額は前年同期比24.0%減の3兆4017億円と、4半期(2年)連続で前年同期を下回った。4兆円を割り込むのは9半期ぶり。自動車輸出などが好調な米国向けの貿易黒字が拡大する一方、原油高で輸入額が膨らみ、黒字幅を圧縮した。輸出入額とも過去最高を更新した。
輸出は同16.1%増の35兆7757億円、輸入は同22.9%増の32兆3740億円で、輸出は2半期連続、輸入は7半期連続で最高記録を更新した。通関ベースの原油価格が1バーレル=62.2ドルと最高を更新したのが大きな要因。
地域別では、対米黒字が同17.4%増の4兆2271億円と、貿易摩擦が問題化した86年下半期以来の高水準。ガソリン価格高止まりを受けて燃費のいい日本車の人気が高く、輸出が同15.9%増の8兆893億円と、85年下半期以来20年半ぶりに最高を更新した。
アジア向けの貿易黒字は同1.9%減の2兆8864億円で、3期連続で減少した。半導体や液晶パネルなどの輸入が増え、輸入額は8期連続で最高を更新した。うち中国向けは1兆5660億円の赤字。中国での建設需要や自動車市場拡大を受け、電線用の非鉄金属や自動車部品の輸出が増加したため、赤字幅は4期ぶりに縮小した。
一方、6月の貿易黒字は同5.9%減の8079億円で、2カ月ぶりに減少。輸出が前年同月比14.4%増の6兆2696億円、輸入が同18.2%増の5兆4618億円だった。【山本明彦】
毎日新聞 2006年7月26日 11時05分