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記者の目:高松塚古墳壁画保存 栗原俊雄(大阪学芸部)

作者:栗原俊雄  来源:mainichi-msn   更新:2006-7-27 8:12:15  点击:  切换到繁體中文

文化庁職員らによる高松塚古墳の国宝壁画損傷事故などを検証した調査委員会が、文化庁の意識と体質に問題があるとする報告書をまとめ、河合隼雄長官が国民に謝罪した。一方で、壁画保存のための石室解体という方針は変えていない。解体決定までの議論と、損傷事故を取材してきた記者として、異議を申し立てたい。文化庁は壁画保存策の議論をし直すべきだ。

 4月に報道で事故が明るみに出た直後、文化庁幹部は私に、「今回のことで、石室解体の方針が変わることはありません」と言った。カビ除去などを担当してきた東京文化財研究所(東文研)の幹部も強調した。「それとこれとは別です」

 しかし、その言葉に説得力はない。理由は二つある。一つは昨年6月に石室解体を決めた文化庁の壁画恒久保存対策検討会の委員24人に重大な情報格差があったことだ。委員の中に、カビ大発生の引き金になった01年2月の工事の不手際と、カビ除去作業中に起きた02年1月の損傷事故、3月の補修を公表しなかった当事者がいた。文化庁美術学芸課主任文化財調査官だった林温・慶応大教授はその一人だ。昨年春、検討会の作業部会が石室解体案をまとめた際、「壁画劣化の責任所在を明らかにすべきだ」と言う私に、林氏は「そういう議論、前向きじゃない。責任がどうとかって、文化庁をかき回すだけじゃないですか」と反論。直後の検討会で林氏は「壁画を守るには石室解体しかない」と、解体案を強く推した。

 今回の調査で、林氏がほかにも、壁画補修を公表していなかったことや、02年3月に石室内の写真提供を求めた報道機関に、事故前の写真を撮影日を偽って渡したことが判明した。損傷の露見を防ごうとしたと取られても仕方がない。

 長年、文化庁で高松塚を担当し、04年6月の発足時から検討会の座長を務めた渡辺明義氏は事故当時、東文研所長として文化庁の相談を受け、現場で補修を指揮した。だが、この事実を検討会で報告しなかった。

 渡辺氏は損傷事故発覚後、「いつから石室解体を考えたのか」という私の質問に「工事の後、カビが急速に広がったころ」と、検討会発足の2年以上前からの腹案だったことを明かした。検討会の結論はその通りになったが、補修を公表しなかった当事者だったことが知られていたら発言力は著しく低下したはずだ。

 工事や事故、補修の当事者で調査対象となった委員は計6人いた。全員が解体論者だ。公正な議論のためには、重要な情報は共有されなければならない。しかし、他の委員は、事故や補修も、その当事者が委員であることも知らされていなかった。明らかになっていれば議論の流れは違ったのではないか。

 もう一つの理由は、文化庁には、特別史跡である古墳の一部を破壊し、文化財の現地保存主義の転換にもつながる石室解体に踏み切る前に、まだすべきことが残っていることだ。

 「行政として、なすべきことはしてきた」。昨年、石室解体が決まった後のインタビューで加茂川幸夫・文化庁次長は強調した。しかし、事故や補修の公表という当然なすべきことがなされていなかった。

 石室解体以外の保存策の検討も不十分だ。例えば、遺体が腐敗して生じると想定され、カビの生育を抑える化合物のアミン類を活用することが、文化庁が87年に刊行した報告書の中で提案されている。これらを試さず、議論の俎上(そじょう)にものせないのはなぜか。

 事故を知らされていなかったある委員は言う。「当事者は解体を急ぎたかったんでしょう。ぐずぐずしていたら、自分たちの過失が明らかになってしまう」

 私は「証拠隠しのための解体」を図った人がいるとは思わない。保存の方法論に違いがあるとしても、壁画を大切にする気持ちは同じだろう。しかし、このままでは、過失をごまかそうと焦り、結論を急いだという疑念が消えない。それは壁画を守るために、それぞれの分野で全力を尽くしてきた委員の本意とは、ほど遠いはずだ。

 今年6月29日、既に辞表を提出していた座長の渡辺氏を含め調査対象となっていた6人のうち5人が外れ、新メンバーが加わって開かれた検討会で、石室解体の方針に変わりがないことが確認された。しかし、解体を決めた検討会に問題があり、他の保存策の可能性が残っている以上、昨年の結論をそのまま受け入れることはできない。

 高松塚は国民の財産で、我々には後世に引き継ぐ義務がある。解体にしろ現状保存にしろ、その将来は、まっとうな議論を尽くして決められるべきだ。

毎日新聞 2006年7月27日 


 

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