大阪府茨木市の連続監禁事件で、無職、村本卓也容疑者(42)=逮捕監禁、傷害容疑で逮捕=が、逮捕容疑となった堺市の女性会社員(24)を監禁した同市中総持寺町の自宅マンションの一室は、すべての窓が暗幕ですき間なく覆われ、大量のビデオテープが残されていた。府警捜査本部は、昼夜の区別がつかない状態で精神的、肉体的に追い込まれていく女性の様子を、ビデオテープに記録していた可能性もあるとみて、押収したテープの解析などを急ぐ。【石川隆宣、隅俊之】
部屋は3階の一室(2DK)。廊下側とバルコニー側の採光窓は完全に2重の暗幕で覆われ、光を全く通さない状態だった。玄関扉のドアスコープには内側から銀紙が張られていた。室内をともす豆球には、光が広範囲に漏れないように黒色シェードが取り付けられていた。
ビデオテープは、数十本が棚の奥や手前にぎっしり詰められていた。大半が、映像が映されたレンタルや市販ビデオではなく、録画用だった。ビデオカメラも押収された。
また、女性が監禁されていたとみられる部屋には布団が敷いてあり、女性を支配するために使ったとみられる10本以上のベルトや、木の棒と孫の手なども多数押収され、中には折れた孫の手もあった。ドアの外側にも鍵をつけ、逃げ出せないようにしていた。
マンションは築29年で父親が所有。計33部屋のほとんどが空き室で、村本容疑者がカギを管理し、自由に空き部屋を使えたという。04年3月に死亡した女性(当時29歳)は間取りがほぼ同じ2階の部屋が監禁場所で、9年前に母親が救出した当時20歳の女性と当時2歳の男児は4階に閉じ込められていた。村本容疑者が95年以前に結婚式を挙げ、すぐに別れるまでの新居もこのマンションだった。
毎日新聞 2006年8月7日