防災訓練参加のため海自艦に横付けする米軍艦(手前)=東京都中央区で1日午前10時26分、本社ヘリから尾籠章裕写す
「防災の日」の1日、全国各地で防災訓練が行われ、計約80万2000人が参加した。政府の総合防災訓練のうち、本部で実施する訓練は初めて首都直下地震だけを想定、東海地震を対象から外した。東京都を中心とした南関東8都県市による合同訓練と連携し、帰宅困難者への対応や広域医療搬送などに重点を置いた訓練を実施、米軍も初めて参加した。
政府の訓練は、午前7時15分に東京湾北部を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生したと想定。経済中枢機能への被害が懸念されることから、初めて福井俊彦日銀総裁も参加し、小泉純一郎首相とのテレビ会議で対応を話し合った。
米軍の訓練参加は東京都が要請。東京港からフリゲート艦で帰宅困難者を神奈川県横須賀基地へ輸送するなどした。都総務局は「大規模災害時は、海外を含め応援を受けることになる。米軍は都内に拠点があるので、知事の意向で協力を求めた」と説明している。また、訓練にはソウル市消防局も初参加し、救助訓練を行った。
例年は政府の本部でも東海地震の予知を想定した訓練も同時に実施してきたが、今年は静岡県が浜松市で行った訓練会場に政府調査団を派遣するにとどめた。
内閣府は「今年4月に応急対策活動要領ができたばかりの首都直下地震に重点を置いた。東海地震対策をおろそかにしたわけではない」と説明している。【五味香織】