衆院は午後１時からの本会議で安倍氏を首相に指名。続く参院本会議でも安倍氏が指名される。戦後生まれの首相は初めて。５２歳での首相就任は、田中角栄元首相の５４歳を抜き戦後最年少。戦前まで含めても５番目に若い。

　総裁選で２位だった麻生氏は外交、経済政策などで安倍氏と見解が近く、７月の北朝鮮によるミサイル発射への対応で国連決議採択に向け連携、総裁選の論戦でも共同歩調を取ることが多かった。閣内の要職処遇で落ち着いた。

　塩崎氏は財政・金融政策に強い中堅議員で、安倍氏の「盟友」的存在。党内には官房長官にベテラン議員の登用を求める意見も強かったが、世代交代を進める狙いもあり安倍氏は早くから起用を検討してきた。

　このほか甘利明元労相（５７）＝山崎派、柳沢伯夫党税制調査会長（７１）＝丹羽・古賀派、山本有二党経理局長（５４）＝高村派、長勢甚遠官房副長官（６２）＝森派＝の入閣が内定。参院自民党は若林正俊参院政審会長（７２）＝森派、溝手顕正参院議院運営委員長（６４）＝丹羽・古賀派＝の２人の入閣を求めている。公明党からは冬柴鉄三前幹事長（７０）が入閣する。

　２６日午前の自民党役員会で中川秀直幹事長は、首相指名選挙にあたり無所属議員にも安倍氏に投票を呼びかけるよう指示した。首相指名選挙で民主党は小沢一郎代表に投票するが、小沢氏自身は検査入院中のため本会議を欠席する。

　指名を受け、安倍新首相は首相官邸で中川幹事長らと組閣に入る。午後４時ごろから官邸に閣僚の呼び込みを始め、官房長官が閣僚名簿を発表。皇居での任命式・認証式を経て新内閣が発足。夜９時ごろに首相就任の記者会見、同４５分から初閣議を行う。

毎日新聞　2006年9月26日