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いじめ自殺:両親話す 「命だけは」と首のロープほどいた

作者:高橋咲子…  来源:mainichi-msn   更新:2006-10-23 8:51:02  点击:  切换到繁體中文

 福岡県筑前町立三輪中学校2年の男子生徒(13)がいじめを苦に自殺した問題で、男子生徒の両親が22日、毎日新聞のインタビューに応じた。「地域や学校の生徒に迷惑をかけて申し訳ない」と話し、「いじめを隠して『ゼロ』と報告する学校や先生ではなく、いじめ自殺を無くすため、いじめを見つけ改善する学校や先生を評価するような仕組みにしてほしい」と訴えた。【高橋咲子、船木敬太、川名壮志】

 父親(40)と母親(36)はインタビューの中で、学校側が両親に報告したいじめ以外に、特定の生徒たちから連日「うざい(うっとうしい)」「いつ死ぬと?」と言われていたことや、自殺1週間ほど前、友人に「死にたい」と漏らしていたことも明らかにした。

 両親は「もうこんなつらい思いをする親子を見たくない。みんなが『もし自分の子が』と考えていたら、きっと変わるはずです。世の中の人みんなに考えてほしい」と訴えている。

 男子生徒の自殺後に学校が03年度以降、いじめを町教委に報告していなかったことが発覚した。また、文部科学省の統計では99年度以降、いじめが原因の児童生徒の自殺はゼロとされている。

 「誰かが気づいていれば」。男子生徒が自ら命を絶って10日余り。死の真相を探し続ける両親。つらい思いを語った。

 父親の影響を受け、小学1年生からバレーボールを始めた。後に弟2人も通い始め「バレーを通じて家族がひとつになるのが楽しみでした」。欲しい物があっても「僕はいいから、弟たちに先に買ってあげて」と話す弟思いの兄だった。

 11日午後。勤務先から戻った母(36)は叫ぶ祖父の声を聞いた。「首をつっている!」。首に絡まったロープを外し、横たえて救急車を待った。「しゃべらなくても人工呼吸器をつけてもいい。命だけは持ち続けてほしい」と懸命に願った。

 その日の朝は、いつものように家族で食卓を囲んだ。息子も「おいしいね」と朝食を食べていた。「お母さん、行ってくるよー」。玄関先から元気な声が聞こえ、「頑張って行ってらっしゃい」と声をかけた。食器を洗っていて姿は見なかった。それが最後だった。

 家族に、いじめについて一言もしゃべらなかった。夏休みには同級生らと家を行き来し、自宅では家族一緒にトランプで遊んだ。絶やさない笑顔の裏にどんな悩みを抱えていたのか。「いろんなことを、もっと聞いておけばよかった」。気づいていれば、絶対学校に行かなくていいと言った。後悔の思いがあふれる。

 生徒は「生まれ変わったらディープインパクトの子になりたい」と遺書に書いた。両親は「強い子になりたい。つらくて、もう人間には生まれ変わりたくなかったんでしょうか」。

 家族全員でいるのが当たり前だと思っていた日常は失われてしまった。「そこにいるだけで幸せだった」。亡くなった実感はわかない。「何してるのかな。ご飯は食べているのかな。ちゃんと寝ているのかな。楽しくやってるのかな」。我が子を思い続けている。

毎日新聞 2006年10月23日 


 

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