埼玉県熊谷市で1月29日、老夫婦と孫の3人が焼死した放火殺人事件で、現住建造物等放火と殺人の疑いで逮捕された同居のパート勤務、斉藤綾容疑者(26)が以前にも自宅で2回、灯油容器を倒したと家族が話していたことが分かった。県警熊谷署捜査本部は、斉藤容疑者が以前から放火を計画していた可能性もあるとみている。
調べでは死亡した母栄子さん(当時61歳)が火災の直前、友人に「綾(容疑者)が数日前と1月中旬に1階6畳居間で灯油の容器を倒して困った」と話したという。灯油容器は庭に置いていた。
斉藤容疑者は出火当時について「容器が重かったので居間で灯油をまいて軽くし、3人が寝ていた寝室で容器を倒した」と供述しており、捜査本部は火災時も容器を倒している点に注目している。
また1月15日朝、市内の兄(49)方で植木が燃える不審火があったことも判明。植木から油性反応が出ており、捜査本部で関連を調べている。
捜査本部は26日、斉藤容疑者を同容疑でさいたま地検に送検した。【浅野翔太郎】
毎日新聞 2007年2月27日 3時00分