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パスモ:18日からサービス開始 「意外な落とし穴」も

作者:未知  来源:毎日新聞   更新:2007-3-14 10:26:11  点击:  切换到繁體中文

首都圏の私鉄、バスの共通ICカード乗車券「PASMO(パスモ)」のサービスが18日始発から始まる。JR東日本の「Suica(スイカ)」と相互利用でき、どちらか1枚を持てば首都圏のほぼすべての鉄道、バスに乗れるようになる。便利さに加え、電子マネー機能やポイントサービスもある発行予想枚数3000万枚もの世界最大の交通事業系カードだが、実は意外な「落とし穴」もある--。【小倉祥徳】

 パスモはスイカ同様、事前に券売機で入金すると、利用者が改札機にかざすだけで乗降出来る。無記名、記名型の2種類あり、無記名型は駅ですぐ買える。すでにスイカを利用している人は18日から自動的にパスモ機能が使えるようになる。これまでスイカにもなかった子ども用(記名型のみ)も発売される。

 また、鉄道会社の系列クレジットカードと契約すれば、残額が2000円以下になると改札通過時に3000円入金されるサービスも。3月からはJR東日本グループと鉄道、バスの54社が参加、今後47社も加わる。

 先行する関西圏では昨年1月からJR西日本の「ICOCA(イコカ)」と「PiTaPa(ピタパ)」の相互利用がスタート。4月1日時点で私鉄など26社が、将来的には52社が参加する。

 パスモの電子マネー機能は、当初はスイカ加盟の約1万1000店とパスモ加盟の約700店で使えるが、パスモ加盟店は1年後には約5000店まで拡大する予定だ。また系列カードを兼ねたタイプなら、各種ポイント還元サービスもある。

 ほぼ共通するのはクレジットカードで自動入金するたびに入金額の0.5%分のポイントが還元される点だ。だが、これだけでは通常のカードと変わらない。そこで東京メトロ、京王電鉄、小田急電鉄の3社はそれぞれ自社区間での乗車に応じてポイントを還元する。メトロと東急は駅のポイント交換機でパスモに入金することも可能だ。

     ◇

 使い方次第では損をするケースもある。例えばバス。現在普及している前払い式の「バス共通カード」は購入時にあらかじめ定額に数百円分のサービスがあるが、パスモは1カ月以内に一定額を利用しないと適用されない。額によってはパスモの方が高くなる。パスモ導入後も現カードは当面販売されるため、自分の使い方にあった方を選んだ方がよさそうだ。

 定期券として使う場合も要注意。利用区間が3路線にまたがるとシステムが対応しないため、当面は従来の磁気式定期券の併用が必要だ。例えば京王新線・幡ケ谷(東京都渋谷区)から都営新宿線を経由して東京メトロ・霞ケ関(千代田区)まで通勤する場合、現在と同様に京王と都営・メトロ、もしくは京王・都営とメトロの2枚の定期が必要。便利になるのは1枚は改札機に挿入しなくていいという点だけだ。

 さらにJR-私鉄(地下鉄)-JRで乗り継ぐと、券売機で買う場合の料金とパスモ(スイカ)の自動引き落し額に違いが出ることも。例えば、JR三鷹駅(東京都三鷹市)-津田沼(千葉県習志野市)間で、途中の中野(東京都中野区)-西船橋(千葉県船橋市)を東京メトロに乗った場合、本来は計590円で済むはずが、パスモでは全線JRを使ったとみなされ、780円が引き落とされる。乗り継ぎには気をつけた方がいい。

 サービス開始に向け、鉄道各社は最終的な点検や駅員の研修などに余念がないが、「実際にどんなことが出てくるか分からない」(小谷昌・日本民営鉄道協会会長)との不安もある。JR東日本はシステムを24時間監視する専門部局を新設して、体制を強化している。

毎日新聞 2007年3月14日 10時27分


 

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