かつての最高指導者だった故トウ小平氏の生誕100年を22日に迎えた中国では、改革開放などの功績をたたえるメディアのキャンペーンや記念の催しが続いている。貧富の差への不満が広がっているが、共産党は改革開放で中国が豊かになったことを力説している。
新華社は21日、記念の記事を配信。国内総生産(GDP)が改革開放直前の78年から昨年にかけて32倍になったことなどを挙げて「トウ小平は中国を変えた」と強調した。また、トウ氏が「発財樹」(金持ちになる木)という名前の植物を見て、「全国の人民に植えさせ、すべてを金持ちにさせよう」と語ったというエピソードを紹介した。
メディアのキャンペーンは、文化大革命後の大学入試再開や、農村改革、経済特区創設などトウ氏の様々な決断を伝えている。だが、民主化運動を武力鎮圧した89年の天安門事件での役割には触れていない。また、改革開放によって生じた貧富の大きな格差や腐敗などの現在の問題には焦点をあてておらず、賛美一色になっている。
改革開放もすでに25年を過ぎ、またトウ氏の死去から7年を経過したこともあり、庶民の関心は決して高くはない。
(08/22 10:59) |