「犬と私の１０の約束」は、右前足の毛色だけ靴下を履いているように白い１匹の子犬「ソックス」と、飼い主の少女あかり（田中麗奈さん、子供時代は福田真由子さん）との触れ合いを描いた感動作。「私は１０年くらいしか生きられません。だから、できるだけ私と一緒にいてください」など、犬の立場から飼い主の心構えを書き、インターネット上で話題になった作者不詳の英文詩「犬の十戒」がベースになっている。

　雌のチワワを飼っているという田中さんは舞台あいさつで「（犬の十戒を）最初に読んだ時は涙がツーっと出てきた。『あなたには学校もあるし友達もいます。でも、私にはあなたしかいません』という言葉にじーんと来ちゃって」と振り返った。愛犬とは一緒に寝ることを約束しているといい、「犬を飼っている人は、この映画を見て自分の約束ごとを作ってもらえたらいいな」と呼びかけた。一方、豊川さんは冒頭、いきなり「ワンワワン、ワワンワワンワン…、本日はワワンワンワン」とあいさつ。途中で登壇し、田中さんに花束を手渡したＢｏＡさんは「（主題歌は）ソックスの気持ちになって歌った。この曲を犬になったつもりで聴くと、よりキュンときます」と歌に込めた思いを語った。

　舞台あいさつに先立ち、東京・銀座のイベントスペース「マリオンスペース」であったフォトセッションには、主役犬のソックスのほか、テレビＣＭで大人気を博したチワワの「くぅ～ちゃん」や、映画「クイール」で盲導犬クイールの子犬時代を演じたラブラドールの「クー」など１０匹の有名犬が「犬１０応援団」として大集合。最初は大人しくしていた犬たちだが、１匹が動き出すと収拾がつかなくなり、何度か撮影が中断する場面も。しかし、出演者たちはそんな犬たちに目を細めていた。【米岡紘子】