今回の改良の目玉は,ISS(instruction set simulator)に,パイプラインのモデルを加えたことである。従来のISSはパイプライン動作を考慮せずに,コード単位で処理を進めていた。この改良により,割り込みなどの例外処理が発生した場合に,時間的な精度が上がる。「例えば他のプロセサ・コアやXtensa LXの外部ポートなどを通じて割り込みが発生した時,そのプロセサのパイプラインがメモリ・バスを占有していると,割り込み後の処理で数クロックほどメモリ・バスを使えなくなる。今までのISSは,こういった処理の遅れが再現できなかった」(テンシリカ フィールド・アプリケーション・マネージャの内海弦氏)。