京都と大阪の青酸化合物による連続殺人事件で、夫と元交際相手への殺人罪で起訴された筧千佐子被告（68）について、元夫やほかの元交際相手の死亡の経緯も捜査するため、大阪、京都、兵庫の３府県警は23日、合同捜査本部を設置した。

捜査関係者によると、同被告は起訴済みの２人以外にも、複数の男性の殺害をほのめかしている。事件性を示す直接的な証拠はないが、合同捜査本部は約50人態勢で当時の経緯を調べる方針。

千佐子被告は夫で京都府向日市の無職、筧勇夫さん（当時75）と交際相手だった大阪府貝塚市の無職、本田正徳さん（同71）への殺人罪で起訴された。同被告の周辺ではこの２人を含め、大阪、京都、兵庫、奈良の４府県の男性約10人が死亡している。

同被告は男性らに遺産相続を約束する公正証書を作成させるなどして、死後に計約10億円の遺産を手に入れたとされる。