愛媛県は23日、県内に立地する企業が国内の事業所を集約する際などに活用できる助成制度を設けると発表した。５年以内の総投資額（土地を除く）が50億円以上であることなどを条件に、５億円を上限に奨励金を支給する。企業が事業所を集約する際、愛媛の事業所が集約の受け皿として選ばれるよう支援する。

４月１日付で制度を設ける。県内に立地してから10年以上の企業が対象で、愛媛県内の事業所の機能強化の計画を持っていることが条件だ。県外の事業所を閉鎖して、愛媛の事業所に生産を集約するケースが機能強化に該当する。

県内の事業所内にある遊休地を活用して、工場を増設する場合も支援対象となる。県内の事業所で不採算事業を廃止し、そこで新規事業を立ち上げる場合も生産拠点を強化するとみなして新制度の対象とする。

実際に工場の新増設などの投資が完了してから、１年あたりの上限を設けて、補助金の形で出す予定だ。土地を除く総投資額が50億円以上という条件があるため、大手企業の利用を見込んでいる。

県はこれまで大手企業の誘致に力を入れてきたが、既存企業の流出を防ぐ手立ても必要と判断した。県内市町にも協力を呼びかけていくという。