林芳正農相は30日午前、米軍普天間基地（沖縄県宜野湾市）の名護市辺野古沿岸部への移設問題で、沖縄県が沖縄防衛局に出した辺野古沿岸部での作業停止指示をいったん無効とする方針を発表した。農相は国会内で記者団に「沖縄県と沖縄防衛局の両者（の主張）を勘案して判断した」と述べた。

沖縄県の翁長雄志知事は同日午前、県庁内で記者団に「じっくり精査し、記者会見したい」と述べた。翁長氏は県幹部らを集めて今後の対応を協議し、県の見解を発表する見通し。

翁長氏は23日に沖縄防衛局に辺野古での海底ボーリング（掘削）調査を含むすべての作業を30日までに停止するよう指示していた。指示の効力はいったんなくなったが、翁長氏は埋め立て工事に必要な岩礁破砕許可を取り消す意向を崩しておらず、政府への対抗策を検討する。