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[FT]穏健国家マレーシアに独裁の懸念(社説)

作者:佚名 文章来源:nikkei.com 点击数 更新时间:2015/4/1 17:02:47 文章录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语

マレーシアは長らく東南アジアの成功例だとみなされてきた。人口は3000万人で経済規模は域内で3位。教育水準も比較的高い。多数派のイスラムと中国・インド系の地域社会がそれなりの調和をもって共存する民主的な穏健イスラム国家の珍しい例だ。しかし、マレーシアは独裁政治に陥る危険を冒しつつあり、同国の微妙な政治的・民族的バランスにほころびがみえ始めている。これは、経済にかげりがみえるときだけに懸念される展開だ。


アンワル元副首相の娘(右)のイザハさんが聴衆に訴える。イザハさんは直前まで扇動罪で拘束されていた(3月17日、クアラルンプール)=ロイター


 


アンワル元副首相の娘(右)のイザハさんが聴衆に訴える。イザハさんは直前まで扇動罪で拘束されていた(3月17日、クアラルンプール)=ロイター


マレーシアは、1957年の英国からの独立以降ずっと、人口の多数を占めるイスラム教徒のマレー人を代表する政党、統一マレー国民組織(UMNO)が政権を率いてきた。UMNOは近年、3党で構成する野党連合を率いるアンワル元副首相の挑戦を受けており、その圧力は高まっている。時には一匹おおかみ的で欠点があると指摘されるアンワル氏だが、マレーシアの硬直的で腐敗した政治システムの改革に意欲を示している。


2013年の総選挙では、野党連合がUMNO陣営を上回る票を獲得したものの、選挙の区割りの変則的な関係上、野党連合が獲得した議席は全体の40%にとどまった。それでもアンワル氏の支持率は高く、UMNO内では18年までに予定される次回選挙で彼が勝利する可能性を危ぶむ声は強い。


今年2月、マレーシア最高裁はアンワル氏が「同性愛行為」をしたとして禁錮5年の有罪判決を下し、同氏は収監された。これは野党にとって大打撃となった。同判決は少なくとも政治的な動機が働いたようにみえる。今、野党政治家とジャーナリストの逮捕が相次いでいる。人権擁護団体によると、過去1週間で90人以上が拘束され、その多くが、「扇動的な傾向」のある演説を違法とする英植民地時代の法律に抵触したという。


■経済にダメージを与える可能性


こうした市民社会への弾圧は2つの理由で危険だ。まず、マレーシア社会を分裂させ、地域社会同士の微妙なバランスの維持が困難になる可能性がある。ナジブ首相は改革主義者で、政治の自由化を約束すると宣言した。しかし彼自身、UMNO内の右派からの圧力にさらされている。同右派は、野党の無力化を望み、大半のマレー人の特権を危うくしかねない改革に抵抗を示している。


2番目の懸念は、政治的な緊張が強まった場合、マレーシア経済にダメージを与える可能性があることだ。14年の同国の実質国内総生産(GDP)伸び率は6%と力強く、東南アジアで2番目に高い。しかし、同国は際だったエネルギー純輸出国のため、原油価格の下落に脆弱な体質だ。また、外国人のマレーシア債券保有率は40%超と高く、経済・政治の見通しが一段と悪化すれば債券の保有者らは神経質になると思われる。


今は、東南アジアにとって政治的にかなり不透明な時期だ。インドネシアは大統領選を終え、平和的に権力の移譲が行われた。しかし、タイは軍政に移行、ミャンマーでは政権による権力の分担の有無と方法について不透明感が強い。域内のスター的存在であるフィリピンでさえ、アキノ大統領の任期満了後の政治の方向性は読みづらい。マレーシアから目が離せないのはこうした背景があるためだ。マレーシアが国際投資家の関与を保ちたいなら、将来の政治安定について安心感を与えることが必要になる。


(2015年4月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


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