【ＮＱＮニューヨーク＝古江敦子】７日の米株式相場は３営業日ぶりに小反落し、ダウ工業株30種平均は前日比５ドル43セント（0.0％）安の１万7875ドル42セントで終えた。米主要企業の１～３月期の決算発表を前に、内容を見極めたいとのムードが強まった。一部では低調な業績を見込む声も聞かれ、運用リスクを回避する動きが取引終了にかけて強まった。

米株式市場では１～３月期の決算発表を前に、内容を見極めたいとのムードが強まった（ニューヨーク証券取引所）＝ロイター

外国為替市場でドルがユーロなどに対して上昇する場面があった。ドル高が進めば、世界で事業展開する米企業の収益が一段と押し下げられるとの懸念が広がり、株式相場の重荷になった。

ただ、朝方は買い優勢で始まった。物流大手のフェデックスがオランダの同業ＴＮＴエクスプレスの買収を発表するなど大型Ｍ＆Ａ（合併・買収）が相次ぎ、株式市場への資金流入が続くとの期待が相場を支えた。フェデックス株が大幅上昇し、運輸株がつれ高した。

ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も３営業日ぶりに小反落し、7.083ポイント（0.1％）安の4910.234で終了した。

業種別Ｓ＆Ｐ500種株価指数（全10業種）は「公益事業」や「電気通信サービス」、「一般消費財・サービス」など８業種が下落した一方、「エネルギー」と「ヘルスケア」は上げた。ニューヨーク証券取引所（ＮＹＳＥ）の売買高は約６億6000万株（速報値）、ナスダック市場は約15億4000万株（同）だった。

自動車のゼネラル・モーターズ（ＧＭ）が下落。カナダ政府の投資会社が保有する全ＧＭ株を売却すると発表。需給を警戒した売りが出た。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスや建設機械のキャタピラー、アップルが下落した。

一方、塗料のアクサルタ・コーティング・システムズが上昇した。著名投資家ウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイによる株取得を好感する買いが入った。クラウド関連のインフォマティカは英投資ファンドなどへの身売りが好感され高い。原油先物相場の上昇を背景に収益が持ち直すとの見方からシェブロンやエクソンモービルなど石油株も上げた。