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発信箱:PK戦の雑念 荒木茂(論説室)

作者:荒木茂 文章来源:mainichi-msn 点击数 更新时间:2006/6/18 0:12:10 文章录入:eva_0323 责任编辑:eva_0323

国の威信をかけた試合であっても、「負けたら死ね」はないだろう。だが、54年のサッカーワールドカップ(W杯)スイス大会アジア予選では、韓国の代表監督が大統領にそう言われた。対戦相手は日本だった。

 植民地として支配された35年間、朝鮮半島のチームは日本のライバルをしのいできた。日本に勝つ自信はあるが、独立から10年足らず。日本人を領土に入れるわけにはいかない。敵地で2試合戦うことを条件に予選参加を許したのは、当時の李承晩(イスンマン)大統領だった。「もし負けたら、そのまま玄界灘に身を投げろ」。大統領は半分本気で激励したのだ。

 52年前の韓国チームはプレッシャーをはねのけ1勝1分けで本大会初出場の栄冠をつかんだ。

 サッカーでは、常に相手を出し抜こうと頭を使い、ゴールを奪って、自陣を守るのに専念する。プレッシャーがかかっていても、試合中に雑念の入り込む余地はない。

 例外がPK戦だ。4年前のW杯日韓共催大会で韓国-スペインの準々決勝は、0-0でPK戦に突入。韓国の5人目、主将の洪明甫(ホンミョンボ)選手が成功すれば4強進出が決まる。洪選手は心の震えが止まらなかった。

 「ここで外してしまえば、自分だけではなく家族たちも一生涯、世間に顔向けできなくなるだろう」(自著「LIBERO」小学館)。右足でけったボールはゴールに吸い込まれ、アジア勢最高の4位以内を決めた。

 ドイツ大会の決勝トーナメントは、24日から。国ぐるみの雑念がピッチを覆うPK戦は見たくない。90分せめて延長で決着がつくように祈りながら観戦する。

毎日新聞 2006年6月18日 0時17分

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