日銀が13日発表した３月のマネーストック（通貨供給量）速報によると、代表的な指標の１つである「Ｍ３（現金、銀行などの預金）」の月中平均残高は前年同月比3.0％増の1209兆6000億円だった。定期預金や貸し出しが増え、伸び率は前月（2.9％増）から拡大した。

Ｍ３からゆうちょ銀行などを除いた「Ｍ２」は同3.6％増だった。Ｍ３に国債や投資信託など貨幣に比較的近い金融資産を加えた「広義流動性」は同3.3％増と、伸び率は前月（3.4％増）から0.1ポイント縮小した。個人向け国債の償還額が発行額を上回ったことが寄与した。

2014年度の速報によると、Ｍ３は前年度比2.7％増と、過去最高の伸びだった13年度（同3.1％増）から縮小した。年度中平均残高は1196兆円と、03年度の統計開始以来、最も多い額となった。日銀の量的・質的金融緩和により貸し出しが伸びたことや、株高を受けた株式の売却が寄与した。〔日経ＱＵＩＣＫニュース（ＮＱＮ）〕