【ドレスデン（ドイツ東部）＝江渕智弘】日米欧の７カ国（Ｇ７）財務相・中央銀行総裁会議が27日夜（日本時間28日早朝）、ドレスデンでの関連行事で開幕した。各国の財務相と中銀総裁らは第２次大戦末期の1945年に英米軍の空襲で徹底的に破壊され、2005年に再建した聖母教会を視察した。

聖母教会の前で談笑するオズボーン英財務相(左)とワイトマン独連銀総裁（27日）＝ロイター

ホスト役のショイブレ独財務相らに続いて、70年前はドイツの敵国だった英国のオズボーン財務相があいさつ。「Ｇ７は民主主義や自由などの価値観を共有する」と語り、結束を訴えた。

バロック教会の最高傑作とされた同教会は戦後も長いあいだ廃虚のまま放置されていた。90年の東西ドイツの統一後に国内外からの寄付も募って再建し、ドイツ復興の象徴とされている。

Ｇ７会議は28日から本格討議に入り、29日に閉幕する。世界経済の現状やリスク要因について意見交換する。中国が主導するアジアインフラ投資銀行（ＡＩＩＢ）の透明性をどう高めていくかも議論する。テロ資金の封じ込めや国際企業の脱税の防止策なども論点になる。