【ワシントン＝河浪武史】国際通貨基金（ＩＭＦ）は12日、世界経済や政策の見通しを示した報告書を公表し、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利上げについて「金融市場の動揺と新興国の資本流出を引き起こしかねない」とし、早期の引き締めを改めてけん制した。米国のインフレ率は低水準にとどまっており「物価上昇の確固たる兆しを見極めるべきだ」と指摘した。

報告書はトルコで15～16日に開く20カ国・地域（Ｇ20）首脳会議にあわせてまとめた。ＦＲＢは12月15～16日に開く米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で９年ぶりの利上げを検討する。ＩＭＦは中国経済の減速や資源価格の下落など、世界経済はなお不安定だと指摘した。