2010年６月、浜松市の浜名湖で野外活動中のボートが転覆し、中学１年の西野花菜さん（当時12）が死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われた研修施設「静岡県立三ケ日青年の家」の元所長、檀野清司被告（57）に静岡地裁（佐藤正信裁判長）は18日、禁錮１年６月、執行猶予３年（求刑禁錮１年６月）の判決を言い渡した。

佐藤裁判長は判決理由で「危険と知りつつ無理にボートをえい航した。注意義務違反の程度は著しく、未来ある命が失われた結果は重大」と指摘。執行猶予とした理由を「反省し、遺族に謝罪し続けている」と述べた。

弁護側は転覆したボートに同乗した元教諭らにも責任があると主張していたが、「被告からの行動指示を受けておらず、刑事上の過失があるとはいえない」と退けた。

判決によると、10年６月18日、悪天候の中で愛知県豊橋市立章南中の手こぎボート訓練を実施。高波で立ち往生していたボートをえい航する際に転覆させ、西野さんを水死させた。〔共同〕