【ブリュッセル＝森本学】ベルギーのミシェル首相は22日夜（日本時間23日未明）、ブリュッセル首都圏のテロ警戒度を最高水準の「レベル４」で維持し、23日は同地域の学校も休校とすると発表した。21日から続いている地下鉄の全面運行停止や、域内の大型イベントの中止も維持する。

ベルギー政府は22日、閣僚らによる国家安全保障会議を開催。改めて対テロの警戒水準について協議し、据え置きを決定した。「レベル４」は深刻で差し迫ったテロの脅威があることを示す。ブリュッセル首都圏で警戒にあたる警察や武装した兵士も増員する。

ブリュッセルには欧州連合（ＥＵ）や北大西洋条約機構（ＮＡＴＯ）の本部がある。トヨタ自動車が欧州事業の統括拠点を置くなど大企業の欧州拠点も多い。週明けも最高度のテロ警戒が続くことで「欧州の首都」の機能にも広く影響が及びそうだ。

ただ23日には、ＥＵがブリュッセルの本部ビルでユーロ圏財務相会合を開く。22日夜、ベルギー政府によるテロ警戒水準の据え置き決定後に、改めて予定通り開催すると発表した。

ベルギー捜査当局はパリ同時テロの実行犯のひとりで、犯行後にベルギーに逃走したとみられる国際手配中のサラ・アブデスラム容疑者（26）の行方を追っているが、まだ見つかっていない。

ブリュッセル首都圏以外のベルギー国内の各地域の警戒レベルは、上から２番目のレベル３に据え置いた。