首相官邸の屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件で、威力業務妨害などの罪に問われた福井県小浜市の山本泰雄被告（40）の論告求刑公判が25日、東京地裁（田辺三保子裁判長）であり、検察側は「人に危害が及ぶ恐れもあった」として、懲役３年とドローンの没収を求刑した。

次回の来年１月12日に弁護側が最終弁論し、結審する見通し。

弁護側は「見つけた人を怖がらせるような威力に当たらず、業務を妨害していない」などと無罪を求めているが、検察側は論告で「官邸は行政組織の要であり、ドローンが見つかれば危険なものと受け止めるのが当然だ」と指摘した。

論告によると、４月９日未明、放射性物質を含む土砂を入れ、発炎筒を搭載したドローンを東京都港区の駐車場から遠隔操作で飛ばして官邸の屋上に落下させ、同月22日に発見した職員らを警備対応に当たらせて業務を妨害した、としている。〔共同〕