加藤周一さんの詩碑、ゆかりの渋谷に 27日に除幕式
加藤周一さん作の「さくら横ちょう」が刻まれた詩碑=東京都渋谷区
戦後日本を代表する知識人で評論家の加藤周一さん(1919~2008)の詩碑が、生まれ育った東京・渋谷に建てられた。27日午後に除幕式がある。関係者は「今こそ多くの人に加藤周一という人がいたことを知ってほしい」という。
加藤さんはリベラルな立場から平和問題などに発言し、04年に作家の大江健三郎さんらと「九条の会」を設立。長年、朝日新聞文化面にコラム「山中人閒話(さんちゅうじんかんわ)」「夕陽妄語(せきようもうご)」を書き継いだ。
詩碑ができたのはJR渋谷駅近くの金王八幡宮のそばで、加藤さんが小学校へ向かう際に通った「桜横町」の一角。加藤さんは著書「羊の歌」(68年)に、少年時代、桜横町に住む少女に「もし彼女と二人きりになることができたら、どんなによいだろうか」との思いを寄せたとつづった。