鉄鋼や製紙などの素材系企業が発電所をつくって電気を売る事業に取り組んでいる。紡績大手のクラボウ（大阪市）はボイラーなどの技術を生かし、木材チップを使ったバイオマス発電所をつくった。各メーカーとも安定したもうけが見込める発電事業には、うまみが大きいとみている。

クラボウは徳島県阿南市の徳島バイオマス発電所を２７日に公開した。市内の木材販売会社から木材チップを買い、約１万１千世帯分の消費電力にあたる年約４千万キロワット時を発電する。建設費は約３０億円。クラボウの藤田晴哉社長は「会社として初の発電事業だ。林業の活性化にも意義がある」と胸を張った。

約４０年前から焼却炉向けのボイラーを扱っていて、今回の発電所に技術を採り入れた。高温の砂と混ぜることで、効率的に燃やせるという。自社の工場向けに改良してきた集じん装置も、排ガス対策に採用した。

クラボウは売電で年十数億円の…