（９日、高校野球 横浜７―１東北）

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昨夏に名将・渡辺元智監督からバトンを引き受けた平田監督率いる横浜は、まず足で東北バッテリーを揺さぶった。

一回、１番戸堀が安打で出塁する。５０メートル５秒９のチーム一の俊足は１ボールからの２球目に二盗を決めた。試合前、戸堀は「バントの前に走らせるから。アウトになってもいい。思い切っていけ」と平田監督から背中を押されていた。

戸堀は犠打で三塁へ。４番村田の適時打で先制の本塁を踏んだ。「戸堀の二盗で相手のダメージは大きかったと思う」と平田監督。流れをつかむための初手が成功した。

神奈川大会は７試合で８盗塁と多くはない。だが、事前に東北の左腕渡辺の一塁牽制（けんせい）を研究し、走れる可能性は高いと分析。この試合は５盗塁を決めた。

三回は強打が光った。２死一、三塁、６番公家が真ん中低めの直球を豪快に左翼席中段付近まで飛ばした。カウントは１ボール。公家は「一回から見ていて、（この日の渡辺は）ストライクを取りたい時は直球が多いと感じていた。狙っていた」。３ランで主導権をがっちりとつかんだ。

横浜は渡辺監督とともに分析にたけた小倉清一郎コーチの存在も大きかった。その小倉コーチも一昨年に退いた。戸堀は「分析はコーチに頼る部分が大きかった。今はチーム全体のあとも選手個人で分析するようになった」と話す。

新たな横浜で臨む今夏の甲子園。初戦は足と強打で好スタートを切った。次は好左腕・寺島を擁する履正社が相手になった。（坂名信行）

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○藤平（横） 一回からの５者連続を含む、計１３奪三振。「立ち上がりは普段から得意ではないけど、この舞台で投げることを夢見て、高ぶりました」

○平田監督（横） 次戦の相手は履正社に決定。優勝候補同士の対戦に、「相手は一番強いチーム。しっかり対策を立てながら戦いたい」。