２０１４年２月の東京都知事選をめぐり、元航空幕僚長の田母神（たもがみ）俊雄被告（６８）＝公職選挙法違反罪で公判中＝らが運動員に報酬を配ったとされる事件で、同法違反（買収、被買収）の罪に問われた元選対本部事務局長・島本順光（のぶてる）被告（６９）の第２回公判が９日、東京地裁であった。弁護側は「報酬は正当な日当か、選挙期間外の働きの対価だった」と述べ、改めて無罪を主張した。

弁護側は冒頭陳述で、すでに同法違反で有罪が確定した当時の出納責任者が政治資金を日常的に着服していたと主張。「横領での訴追から逃れるため、検察の意図に沿って選挙違反の話をした」と述べた。供与した現金は「登録された事務員への日当や、選挙期間外も働く常勤者への給料」と考えていたとして、買収罪は成立しないと訴えた。

島本被告の起訴内容は、田母神被告らから選挙運動の報酬として２００万円を受け取ったほか、田母神被告らと共謀し、運動員６人に計２９５万円を渡したというもの。島本被告は６月の初公判で「無実であります」と起訴内容を否認していた。