山本公一環境相は９日の閣議後会見で、米国のトランプ次期政権の環境政策について情報収集するため、環境省幹部を米国に派遣すると発表した。トランプ次期大統領はオバマ政権の地球温暖化対策に批判的な人物を環境保護局（ＥＰＡ）長官に起用する予定で、影響を見極める目的という。

ＥＰＡ長官に起用されるのはオクラホマ州司法長官のスコット・プルイット氏。オバマ政権が導入した火力発電所の排出規制の無効を求め、ＥＰＡを相手に訴訟を起こすなど規制反対の強硬派として知られる。

規制が見直されれば、米国だけでなく、地球温暖化対策の新たな国際ルール「パリ協定」への影響が懸念されるため、環境省は来週以降、審議官を派遣して政権移行チームや環境政策に詳しいシンクタンクなどと接触を図る。

山本環境相はプルイット氏について「政策については明らかにされていませんが、いままでどういう発言をされていたかは重々承知している」などと話した。（小堀龍之）