奈良時代の女帝・称徳天皇の寵愛（ちょうあい）を受けて「法王」の座に就いた僧・道鏡ゆかりの由義（ゆげ）寺があったとされる大阪府八尾市の東弓削（ゆげ）遺跡で、巨大な塔とみられる建物の基壇（土台）が見つかった。八尾市文化財調査研究会が９日、発表した。市や調査研究会は、文献でしか確認されてこなかった由義寺の存在を裏付ける貴重な史跡としている。市は保存を検討するという。

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基壇は約２０メートル四方とみられ、奈良時代後半の地層から見つかった。古代の寺院建築を研究する奈良文化財研究所の箱崎和久・遺構研究室長は「七重だったとされる各地の国分寺の塔の基壇や、現存する木造の五重塔の基壇などと比較すると、一辺２０メートルの基壇には高さ６０メートル級の七重塔が立っていた可能性がある」と指摘する。

付近からは塔頂部の装飾品「相輪（そうりん）」の破片とみられる銅製品も見つかった。復元すると直径約９０センチのお椀（わん）型になるという。

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