ベルリン中心部にある森鷗外記念館が半年ぶりにリニューアル・オープンし、２３日に記念式典が行われた。記念館は、明治の文豪、森鷗外がドイツに留学中に下宿した場所にあり、当時の生活ぶりや時代背景を詳細に説明している。

軍医だった鷗外は１８８４年から４年間、ドイツに滞在し、フンボルト大学などで衛生学を学んだ。留学から１００年となる１９８４年、同大学が運営する形で記念館を設立。改修には日本から寄付金も寄せられた。

これまでドイツ語が中心だったパネルの説明に日本語が加えられ、展示は鷗外とベルリンとの関係に、より重点が置かれた。３３年にわたって同館に勤めるベアーテ・ボンデ副館長（６２）は「パネルの色が変わるなど老朽化が進んでいた。ドイツ人にとって、ここは日本の文化を紹介する『センター』としての位置づけ。自分が退職する前にどうしても改修しておきたかった」と話した。

同館には年間約３千人が訪れる。（ベルリン＝高野弦）