（２９日、高校野球大阪大会 大阪桐蔭８―４履正社）

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履正社の岡田監督が「持てる力を１２０％出して、よくやってくれた」と言えば、大阪桐蔭の西谷監督が「履正社は非常に強かった。本当に紙一重」と振り返るほどの一戦。今春の選抜の決勝と同じ顔合わせ。まさに、全国トップレベルの戦いだった。

そんな中で、履正社の主将若林が大阪桐蔭との差として挙げたのが「一気に突き放す力」だった。三回に３点を奪って逆転したが、その後が続かない。一方の大阪桐蔭は１点ずつ返し、五回に追いついた。

そして、両者の差が出たのは終盤だ。履正社の八回１死一塁の攻撃。竹田のバントを大阪桐蔭の徳山が素早い処理で投ゴロ併殺に仕留めると、直後の九回、履正社に守備のミスが出た。先頭打者のゴロを二塁手の溝辺がはじいて失策。ここから試合を決める３点が入った。

「あそこから点を取られたので、敗因は僕にある」と溝辺は自らを責めた。だが、同点の六回には２死一、三塁のピンチで一、二塁間のゴロを横っ飛びで好捕するなど、好守も光っていた。責める者はいないだろう。

大阪桐蔭はしびれるような展開の中で失策０。ミスらしいミスも出ず、逆に、相手の唯一のミスにつけ込んで突き放した。

「最高のライバル。本当に、勝ちたいところで簡単に勝たせてくれない。突き放したいところでそれをさせてくれない」と若林。試合後は副主将の安田とともに大阪桐蔭ナインのもとを訪れ、これまで戦ったチームから渡された千羽鶴を託した。

「（秋、選抜を含め）３度戦ったけど、大阪桐蔭はやっぱり強かった。このチームなら春夏連覇できると思うので、明日勝って甲子園に行って、頑張ってください」（山口史朗）