長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボス（ＨＴＢ）の沢田秀雄社長（６６）は４日、「（社長を）３年以内にバトンタッチしたい」と話し、退任する時期を明らかにした。同市内であった決算発表の記者会見で述べた。自身が会長兼社長を務める旅行大手エイチ・アイ・エス（ＨＩＳ）の経営に力を注ぐという。

沢田氏は２０１０年、ＨＴＢがＨＩＳの傘下になったのと同時にＨＴＢの社長に就任した。１９９２年の開業以来、営業赤字が続いていたが、１１年９月期に営業黒字化を達成。Ｖ字回復を果たした。

沢田氏は「ＨＴＢへ来る時間を３分の１ほどに減らす。若手の経営陣に育ってほしい。僕がいなくても発展する態勢をつくるのが僕の次の仕事だ」と話した。連結売上高１兆円をめざすＨＩＳへの関わりを強めるという。

また沢田氏は４日、アジア展開をねらうＨＴＢについて、中国の企業から打診があることも明らかにした。上海近郊で、交通の便や市場規模に恵まれた場所だという。一方、「条件が詰められないと発表できない」（沢田氏）として、詳細への言及は避けた。

ＨＴＢが４日発表した１７年９月期決算（単体）は２年ぶりの増収増益。単価の高い宿泊者数が増え売上高は前年比１・９％増の２９１億円だった。前年にあったクルーズ船の損失の反動などで純利益は前年の約３・２倍の６６億円となった。（山下裕志）