アルゼンチン、ボール支配もメッシ不発 堅い守り崩せず
前半、アルゼンチンのメッシ(中央)にプレッシャーをかけるアイスランドの選手たち=長島一浩撮影
(16日、アルゼンチン1―1アイスランド サッカー・ワールドカップ)
【試合詳報】アルゼンチン―アイスランド
人口35万の小国が奇跡の躍進 アイスランド代表の秘密
前半はむしろアイスランドの良さが目立っていた。
アルゼンチンは前半19分、ゴール前に強いアグエロが素早い反転から左足で先制したが、4分後に同点を許す。相手の堅い守りと、ロングボールから一気になだれ込む力強い攻撃に、GKを含む守備陣があたふたした。ボール支配率は7割を超えたが、チャンスの数も質も、相手と変わらなかった。
アイスランド攻略のカギは、ゴール前のスペースを消されたなかで、立ちはだかる人の壁をどう崩すか。GKカバジェロは話していた。「難しい試合になる。まして最初の試合なのだから」
攻め続けた後半は、ほぼボールを触る機会がなかったカバジェロの予想通りの展開となる。
狭いエリアを突くパスはことごとく跳ね返され、後半19分にはメッシがPKを失敗。最後まで、全員が引いて守り続けたアイスランドのゴールをこじ開けることはできなかった。
前回準優勝のアルゼンチンは初出場国にめっぽう強いという歴史がある。
第2回大会の1934年にスウェーデンに2―3で負けたのを最後に、日本を含めた初出場との対戦は5連勝。それも途絶えた。
メッシが不発に終わり、勝ち点1。サンパオリ監督は「フラストレーションのたまる試合だった」。
拍手を送るサポーターに結果を報告するアイスランド。それとは対照的に、「メッシのチーム」は足早にピッチから引き揚げた。(潮智史)