昨年９月。東京都調布市の会社員、加藤司さん（３６）は足取りが重かった。

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出産予定日を翌月に控えた検診の帰り道。横を歩く妻の千晶さん（３６）が、大きくなったおなかをなでながらつぶやいた。

「赤ちゃん、壁に顔をくっつけてたね」

司さんには生まれた時から、右目の周りに赤っぽいあざがあった。治療を続けても治らなかった。

顔の変形・あざ・失明、当事者が語った「幸せの処方箋」

母からむかし、「妊娠中に、おなかにずっと顔をつけていたのが原因かも」と聞いたことがある。病院で見たわが子の映像が、心に引っかかった。自分は、ずっと気にしないで過ごしてきたのに。

生まれてくる子は、女の子の可…