監督として甲子園最多の通算６８勝を挙げ、春夏３度の優勝を果たした智弁和歌山の高嶋仁（ひとし）氏（７２）が２５日、勇退を発表した。２４日付で名誉監督に就き、後任の監督には同校ＯＢで阪神などでプレーした中谷仁（じん）コーチ（３９）が就任した。

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勇退は「ノックできなくなったから」 高嶋監督一問一答

おなじみの仁王立ち秘話 勝っても負けても貫いた高嶋流

高嶋氏は２５日午前、和歌山市内の同校で会見を開いた。監督生活を振り返り、「長いようで短かった。悔いが残っているのは、大阪桐蔭を倒せなかったこと。中谷監督に引き継いでほしい」と述べた。高校野球は「人生そのものだと思います」とも語った。

高嶋氏は長崎県出身。選手時代は海星（長崎）で２度、夏の甲子園に出場した。日本体育大学を卒業後、１９７２年に智弁学園（奈良）の監督に就任。８０年に智弁和歌山の監督となり、強豪校に育て上げた。９４年春の選抜大会で初優勝、９７年と２０００年の夏の選手権大会で優勝を果たした。

１０年春の選抜大会で甲子園通算５９勝を挙げて最多勝利を更新し、今春の選抜大会で６８勝まで伸ばした。甲子園のベンチ前でどっしりと立つ姿は「仁王立ち」としてファンにもおなじみとなっている。

今夏の第１００回の選手権大会にも出場したが、１回戦で近江（滋賀）に敗れた。（大森浩志郎）

甲子園大会の監督通算勝利５傑（※は現役）

①高嶋仁（智弁学園・智弁和歌山） ６８勝３５敗

②中村順司（ＰＬ学園） ５８勝１０敗

③※西谷浩一（大阪桐蔭） ５５勝９敗

④渡辺元智（横浜） ５１勝２２敗

④※前田三夫（帝京） ５１勝２３敗