ロシアのペスコフ大統領報道官は１２日、プーチン大統領が日本に対し、平和条約を年内に結ぶように提案したことについて、「大統領は良好な関係醸成に向けた安倍（晋三）首相の努力を高く評価している」と話し、発言が領土交渉の取りやめを意図したのではないとの考えを示した。

タス通信などが伝えた。

プーチン氏は１２日、極東ウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムの全体会合で「前提条件を付けずに年末までに平和条約を結ぼう」と述べた。日本政府は「北方四島の帰属を確認し、平和条約を結ぶ」ことを基本方針とする。

ペスコフ氏は「提案は最初に平和条約を結び、その後（領土に関する）協議を続けようということだ」と話した。「平和条約がないことはロシアにとっても、日本にとっても問題だ。双方が解決策を求めている」とも述べた。（ウラジオストク＝喜田尚）